「環球時報」25付け社説 鉄道部は24日、浙江省温州市で起きた高速鉄道追突事故について謝罪した。中国の鉄道は世界をリードする特殊な段階にあり、中国の世論の批判の的ともなっている。鉄道事故に対する社会の態度は非常に厳しく、鉄道部はその厳しい批判を受け止めるほかに、別の選択がない。
温州の事故は世界の鉄道史上最悪ではないが、かなり重大な事故だ。高速鉄道建設への心理的ショックもかなり大きい。中国の交通機関は長年後れた状態にあったが、高速鉄道によって初めて世界をリードする立場に立った。中国はこうした経験に乏しく、社会にも不安が募っている。
事故原因はまだ明らかになっていないが、「技術的に未熟」、「管理が混乱」といった疑いはいずれも理に適っている。鉄道部門はこうした厳しい詰問に勇敢かつ率直に対応しなければならない。それが国民に対する、鉄道部門自身に対する責任ある態度だ。鉄道部は上海鉄道局長、党委員会書記らを更迭した。これは鉄道部が正しい方向に進む第一歩だといえる。
客観的にみて、中国社会の全体的な管理水準は欧米や日本に劣り、交通機関の平均的な事故率も先進国より高い。これが中国の世界に先駆けて高速鉄道を発展する上で、管理リスクを高めている。鉄道部門はこれに警鐘を鳴らし、絶対的に信頼できる技術、全面的かつ綿密な規則と制度を整え、これらの技術、規則をきちんと運用するだけでなく、それを世界一流にしなければならない。こうした点に、中国社会は不安を抱えており、鉄道部門の苦労も予想される。
正確に言うと、高速鉄道は鉄道部門が基礎がやや緩い社会の中で、世界最高水準を目指してひた走っている最中だといえる。鉄道部門は自らの小さな環境を「先進国を超えるレベル」の組織にし、中国社会は厳しく、積極的な態度で鉄道部門の大胆な行動を受け止めなければならない。高速鉄道の革新は中国社会の試練といえる。