短期的には中国は莫大な損失を被るとみられる。米紙「ニューヨーク・タイムズ」によると、中国が購入した米国債は投資による損失が20%から30%に上る可能性があり、1兆1520億ドルの米国債が投資で最低ラインの20%の損失を出したとすると、約2304億ドルの損失に相当し、中国一人あたり177ドル(約1140元)の損失を被ることになる。損失幅の予測はノーベル経済学賞を受賞したポール・グルーグマン氏の推計に基づくもので、20%というのは非常におおざっぱな推計に過ぎない。米国債が約束違反をすることで中国が支払わなければならなくなる代償は、この予測値を上回ることが予想される。
実際、ここ数年にわたり米ドルが下落を続けたことにより、中国が保有する外貨建て資産は驚くべき損失を出してきた。国家発展改革委員会経済研究所財政金融室の張岸元主任の指摘によると、レートの損失を総合的に考えれば、中国人民銀行(中央銀行)が保有する外貨建て資産の損失は驚異的だ。毎年の外貨準備の増加分について当年の人民元の対ドル平均レートで両替コストを計算し、さらに値上がり後の異なるレートで為替コストを計算する。2003年以来毎年増え続けている外貨準備は、2010年末まで2711億ドルの為替差損を出している。今後、人民元の対ドルレートが1ドル=6元まで上昇すれば、03年以来増え続ける為替差損が5786億ドルに達することになる。
「人民網日本語版」2011年8月2日