米国の信用格付けが引き下げられたとはいえ、中国や日本を含む多くの国にとっては、外貨準備高を増やすために米国債を買い進めるほか選択の余地はない。中国国営の対外向けラジオ放送局「中国国際放送局」が9日、日本の地域ニュースサイト「今日のニッポン」の報道として伝えた。
米国の信用格付けが引き下げられると、ドイツやオーストラリアなどの信用格付けが米より高くなった。しかしこれらの国には外貨を獲得するに十分な国債を売り出してはいない。ドイツ最大の銀行「ドイツ銀行」の中国担当チーフエコノミスト馬駿氏は「現金を株式に換えるなら利益を上げることができるかもしれないが、政治が不安定で通貨市場も混乱しているため、リスクも高い。国債についていえば、市場が小さすぎるか、そうでなければ米国債よりもリスクが高く、中国や日本などの国にとって、現実的で実行可能な選択肢は限られている」と指摘。
長期にわたり米国と同盟関係を築いてきた日本はその関係を崩すことは決してできない。また日本が保有する1.兆1000億ドル(約90兆円)の外貨準備高のうち、約90%がドルであり、この構成をそう簡単に変えることはできない。ほかの国にしても、米国より大きく、安定しており、リスクの低い市場を見つけるのは困難。世界7位の外貨準備高を保有する韓国も外貨準備に大きな変化が起きないことを切に望んでいる。
「外貨準備高をほかの資産に換えることもできるが、それには順を追って一歩一歩進めていく必要がある。長期的に考えた場合に可能な方法で、数週間のうちにできる簡単なことではない。数年ないしは数十年という時間が必要」と馬氏は語る。
「人民網日本語版」2011年8月12日