ホンダが中国重慶市を拠点とする二輪車部品メーカー「重慶隆シン工業集団」(シンは「森」の木が全て金)に対して起こしていた知的財産訴訟はこのほど、7年越しで裁判外の和解が成立した。中国の企業にとっては、海外での権利保護に関する新たな参考例となった。中国国営の「新華社通信」(電子版)が報じた。
重慶市対外貿易経済委員会によると、ホンダは隆シン社と同社の南アフリカの顧客企業ホフマン社が、汎用エンジンGX16の特許権および意匠権を侵害したとして提訴していた。そしてこのたび、ホンダ側がホフマン社が南アフリカ市場で引き続き隆シン社が製造する汎用エンジンシリーズを販売することに同意し、隆シン社のアフリカ全体での汎用エンジンシリーズ販売に対して訴訟を今後起こさないことで、和解が成立したという。
「今回、私法上の和解が成立したことで、当社とホフマン社が南アフリカおよびアフリカ市場で汎用エンジンシリーズを販売するベースを築くことができた。さらに当社が欧米など他の国の市場を開拓するベースともなる」と隆シン社。重慶市対外貿易経済委員会は今回の件について「中国の輸出企業がどのように知的財産権に関わる紛争に対処すべきかを示す良い事例となった」としている。
「人民網日本語版」2011年8月12日