1990年代のバブル崩壊後、日本経済は底辺を彷徨い続けている。欧米諸国においても、経済は衰退を見せており、回復の足取りは遅く、一筋縄ではいかないだろうと危惧するアナリストも多い。ある専門家は、日本の「失われた10年」の8つの特徴を挙げ、欧米社会における情勢が、これらの特徴すべてを備えていることを指摘し、欧米もバブル崩壊後の日本をなぞるのか?と警笛を鳴らしている。以下、英フィナンシャル・タイムズ紙掲載の、欧米諸国が示す「日本化」の兆候を取り上げた記事を紹介する。
現在、米国や英国、ドイツといった国の「日本化」を示す最も顕著な例が、各国の借り入れコスト(国債利回り)である。10年物の米国債、英国債、ドイツ国債の、過去15年(2003~2011年)における利回りの動きを、1988~1996年の日本国債の利回りの推移と重ねてみると、驚くほどよく似ていることが分かる。日本国債の利回りは、1996年に2%の大台を割り込んで以来、持続的に2%を上回ったことが1度もない。先週木曜日、10年物の米国債利回りが1.97%にまで下がり、60年ぶりに2%を割り込む低水準となった。その後、2.08%にまで回復したものの、多くの投資家は米国債の利回りが一段と低下することを予想しており、中には1.75%まで低下すると見る向きもある。
日本「失われた10年」の特徴、欧米で全部ピタリ