また、高齢化と人口ボーナス終焉は日本を苦しめ、政府は構造調整と経済モデル転換の実行に踏み切れず、スローガンだけが一人歩きした。これが日本の内需を伸び悩ませ、失業率を高めることになった。
一方、過去3年で円の対ドル相場は30%上昇し、円高が日本企業と国民に海外で実力を発揮させたことにも目を向けるべきだ。円高が進む中で、自動車や電子などの競争優位産業の競争力は景気低迷により低下するどころか、新製品を次から次へと出し、企業は質を大幅に高めた。ドルの対円相場は上昇し続け、日本の一部の低級品輸出・製造企業は大きな影響を受けたものの、高級品製造業の高利益、海外投資の利益、国民の倹約・備蓄に頼り、日本経済は数字だけ見るとめちゃくちゃだがミクロ的基礎は想像するほどひどいものではなかった。