アップルCEOのスティーブ・ジョブズの辞職は意外ではなかったが、惜しいことだ。アップルが天を突く勢いの今、彼はすい臓がんと闘ってすでに8年になる。伝説の人も、一休みせずにはいられなくなったようだ。
ジョブズといえば、そのアップルを世界最大規模の企業に押し上げたイノベーションで広く知られている。彼独特の個性と先見性で、アップルを世界でもっとも創造的で価値があるIT企業に牽引してきた。その豊かな想像性でiPod、iPhoneや最近ではiPadをはじめとする製品も幅広く受け入れられてきた。アップルはいまや世界で最も人気のあるブランドの一つとなった。アメリカにとって、アップルは利益を生むだけでなく、他国に影響を及ぼす文化でもあった。そして、今、ジョブズのアップルはコカコーラに匹敵する今を象徴する文化のシンボルとなっている。
ジョブズの辞職の時期は、今ではいけないのではないか。アメリカにとっては、経済的な問題とイノベーション不足には内在する関連性がある。これによってアメリカ経済は難しい局面に陥っている。金融危機の後遺症やオバマ政権の妥当性を欠いた政策以外にも、新たな経済成長ポイントを見つけられないことも重要だ。このような情勢で、ジョブズとアップルは二つとないシンボル、イノベーションの旗頭だった。ある意味からいえば、ジョブズの辞職はジョブズ本人も、アップルも、アメリカにとってもやるせないことだっただろう。(中国社科院アメリカ問題専門家)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年8月25日