アジア開発銀行が1日に発表した「アジア証券モニタリング報告」によると、海外投資家の需要増を受け、東アジアの新興経済国の国内通貨建て債券市場が今年上半期に続騰し、東アジア地区の経済成長ペースが世界のその他の国家を上回った。今年6月末現在、東アジア新興経済国の国内通貨建て債券の発行額は、3月末比2.4%増、昨年同期比7.7%増の5兆5000億ドル(約423兆円)に達した。
同報告によると、2011年第2四半期、ベトナム、シンガポール、マレーシアの債券市場の発展が最も著しく、前四半期比でそれぞれ5%、4.3%、3.7%増となった。中国は2.7%増となった。
同報告によると、これらの地区の国内通貨建て債券市場の成長は、主に企業債券の成長によるもの。第2四半期の企業債券は、第1四半期比4.4%増の1兆8000億ドル(約138兆円)に達した。第2四半期の中国企業債券市場総額は、第1四半期比6.3%増となり、韓国を超えて東アジア最大の企業債券市場となった。
同報告によると、東アジアとその他の地区の利ざやが拡大しており、より多くの利益を求める資本進出が行われている。また東アジア地区の貨幣価値が高まるとする予想を受け、海外投資家が保有する東アジア地区の政府債券の比率も上昇している。今年6月末現在、海外投資家が保有するインドネシア政府債券の比率は34%に達した。今年3月末現在、海外投資家が保有するマレーシア政府債券の比率は22%、韓国政府債券の比率は10%に達した。
同報告はまた、東アジア新興経済国には依然としてリスクが存在すると強調した。先進国の経済低迷がアジアの輸出に影響を及ぼし、市場に対する政策と行動のタイミングが遅れ、安定的な資本流動を損ねる恐れがある。また製品価格が変動するというリスクも存在している。
東アジア新興経済国には、中国大陸部、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムが含まれる。
「人民網日本語版」2011年9月2日