米国債の格下げは世界経済に大きな影響を及ぼし、金融市場の不安定な状況は今後も続くと見られる。米ドル資産を最も多く保有する国である中国は、手元の数兆ドル規模の資産の価値保全を懸念している。
米国で債務上限をめぐる論争が繰り広げられたとき、中国国家外貨管理局は3回にわたって声明を発表し、中国の外貨準備の管理と運用の問題について説明した。ところが、懸念はまだ残る。現代国際関係研究院・経済安全研究センターの江涌主任によると、7月23日の温州高速列車追突事故の後、中国の鉄道の問題に関心が集まっているが、金融界のある内部告発者は「中国の為替リスクは鉄道以上」と明かした。
中国の外貨準備高は他国より遥かに多い3兆ドルに上る。米国で金融危機が勃発する前、中国にはすでに主要7カ国(G7)の合計を超える約1兆8000億ドルの外貨準備があった。危機後の3年間も外貨準備高の急増傾向は続き、さらに、外貨準備高に占める米ドル資産の割合は70%を超えた。