米国の債務危機は全世界を脅かしている。中国は米国の最も重要な貿易パートナーとして、長年にわたって貿易黒字を維持し、豊富で低価格の資源と商品を大量の米ドルに換えただけでなく、米国債にも投資してきた。ある推計によると、中国が保有する米国債1兆1600億ドルで計算すると、米国は中国人1人あたり約5700元を借りていることになる。
金融危機後、米国は2回の量的緩和策を実施した。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は近ごろ行った講演で、量的緩和第3弾(QE3)の実施を先延ばしする可能性を示唆したが、9月20日と21日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加刺激策を議論する考えも示した。中国人民銀行貨幣政策委員会委員、清華大学中国・世界経済研究センター主任の李稲葵氏はこれについて、「全体的に言って、米国の金融政策が緩和されることは間違いない。でなければ、米国の景気回復はかなり難しい」と述べた。
米国の悪い状況はさらに深刻化する可能性が高い。2年前、すでに中国の外貨準備の価値低下を警告する声があった。格下げ後も米国経済は追加刺激策という道を大またで歩み続けようとしている。長期的に見て米ドルが下落することは明らかだ。中国の外貨準備高に占める米ドル資産の割合は低下していないというのに、必ずしもそうする必要はあるのだろうか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年9月14日