文=中国社会科学院日本所経済室主任張季風
あの大震災から半年が過ぎた。日本の震災後の復興は想像以上に早いスピードで進んでいる。大震災が鉱工業生産に落としていた負の翳りは3月をピークに徐々に縮小されている。その根本的な原因は、被災地の道路など社会インフラや産業基盤が大きな被害を受けなかったことにある。東北地方の産業は、主に海岸から遠く離れた内陸に集中しており、被害は地震によるものだけで、津波の襲撃は受けなかったため、被害は限定的だった。また、マクロ的に見れば、今回の大震災は有形の資本には被害を与えたものの、日本の人材や技術などの実力は損なわれれることがなかった。これは、日本が致命傷を受けていないことを意味している。
しかも、金融危機の時と比べ、外部の国際市場はなんら影響を受けておらず、日本にエネルギー、資源がなく、また市場がなくても、戦後、廃墟から立ち上がった時のように人材、技術、海外市場に頼ることができる。今回の大震災では、日本の一番の長所である人材、技術は被害を受けておらず、国際市場の環境も好転を見せている。しかも、日本企業の再生能力はたくましく、生産は早期に回復してきている。
実際、震災から1カ月後の4月中旬、被災地の企業の産業チェーン断絶の問題は速やかに緩和され、解決していた。日本の経済産業省が4月26日に発表した「東日本大震災後の産業の実態緊急調査——製品サプライチェーンに対する影響」という調査では、4月8日から15日の期間、65%以上の被災地企業はすでにさまざまなルートを使って、産業チェーン断絶問題を解決していた。うち、材料、部品を生産する企業は65%、加工型企業は76%を占めていた。被災地の企業はすでに6割方完全に生産を回復し、3カ月以内に完全に生産を回復した企業は90%以上に及んでいる。