私が初めて日本を訪れた1958年、日本はまだ貧しい国だった。当時、米国の一般家庭にはすでにテレビと冷蔵庫があったが、日本にはなかった。日本の友人は私に、「我々が貧しいのは、間違った戦争をしたからだ」と語った。当時、中国の人々は軍国主義が日本で復活すると思っていたが、私は日本の人々が戦争を望んでおらず、「第2次世界大戦は国の指導者が国民を騙した結果」だと感じていることを知っていた。
私の日本での体験をまとめた本「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が出版されると、大きな反響を呼んだ。今も、この本を書いた理由を問われることがある。
私は日本に滞在する間、日本のさまざまな長所を体験した。例えば教育が普及していること、社会の治安の良さ、犯罪率の低さ、貧富の格差が小さいこと、官僚が優秀で、しかも腐敗が深刻でないこと、企業内の団結、製品の品質向上が速いことなどだ。「日本がナンバーワン」と言ったのは、日本経済が世界一であるという意味ではない。私は米国人に日本がいかに発展したかを伝えたかった。
この本を書いた目的は、日本人のさまざまなやり方が、(少なくとも米国よりは)優れていることを伝えることだった。そして当時の米国人は、日本人のこれらの成果を理解していなかった。