本書が出版されると、日本で一世を風靡した。米国でも多くの企業家が社員にこの本を読ませ、日本企業の競争力に注意するよう呼びかけた。しかしライシャワー(米国の歴史学者、外交家)は私にこう言った。「日本人がこの本を読んだら、高慢になるだろうな」。
日本人が本当に高慢になったかどうかは知らないが、バブル崩壊に伴い、日本は90年代から現在まで続く不況に陥った。日本は改革を通じて経済の低迷をを脱する必要がある。しかし、日本の発展からは依然として参考にできる点がある。例えば経済発展の質的レベル、教育、知識、国民の礼儀正しさ、質素倹約の気風などだ。多くの企業は依然として好業績をおさめており、多くの産業で日本は世界一の座にある。ハイテク産業の輸出も好調だ。日本の企業制度はかつてとやや異なるものの、完全に無くなったわけではない。これらの制度により従業員は安定感と向上心を得ることができる。日本人は豊かであっても贅沢を好まず、米国人のような過度な消費はしない。社会の公平や調和といった面では昔に及ばないものの、今でも米国を上回っており、特に企業内で平等な関係が築かれている。
現在、中国の高度経済成長は世界の注目を集めており、GDPで日本を抜き世界2位となった。しかし、中国は依然として日本の「米国より優れた点」を学ぶべきであり、「米国の劣った点」を学ぶべきではない。
「人民網日本語版」2011年9月16日