世界銀行のロバート・ゼーリック総裁はこのほど、世界銀行は自身の経験を生かして中国が「中所得国の罠」を回避し、成長モデルを調整し、高所得国の仲間入りをする手助けをすると表明した。
中国は10の試練に直面
世界銀行は今年7月、国の分類を調整し、中国を中所得国に分類した。研究によると、中所得水準に達した国は発展戦略を変えることが非常に重要で、貧困時期に効果があった成長モデルに引き続き頼ってはならず、続ければ両方向からの圧力を受けることになる。1つは低所得・低賃金の国の競争、もう1つは高所得国の技術革新による競争という圧力だ。
中国社会科学院・世界社会保障研究センターの鄭秉文主任は取材に対し、「『中所得国の罠』を前に、中国は10の試練に直面している」と話した。
1.「モデル転換の罠」を回避し、成長モデル転換の歴史的なチャンスをつかむ。
2.「ラテンアメリカの罠」を防ぎ、「包括的な成長」を実現する。
3.「福祉の罠」を乗り越え、社会保障制度と経済成長の並行的な発展を維持する。
4.「都市化の罠」を回避し、都市化と経済レベルの並行的な発展を維持する。
5.「資産バブルの罠」に注意し、経済の健全な発展を維持する。
6.「高齢化の罠」を克服し、経済の安定した発展を維持する。
7.「金融の罠」を防止し、金融改革を慎重に行う。
8.「米ドルの罠」に注意し、国民経済の安全を確保する。
9.「ほめ殺しの罠」に注意し、慎重に物事を運びトップに立たない。
10.「民主の罠」を越え、政治と社会の安定を維持する。
鄭秉文氏によると、中所得の発展段階は、中国にとってチャンスに満ちた重要な時機であると同時に、各種の社会矛盾が急増し「罠」があふれる時期でもある。これら大小の罠は、中国が中所得段階に入った後の「段階的な新しい特徴」となり、未曾有の中国式の「中所得国の罠」への厳しい試練ともなる。