中国国務院「7・23」甬温線特別重大鉄道交通事故調査チームは21日、事故調査の進捗状況を報告した。
調査チームは2カ月にわたって、現場調査、シミュレーション、技術鑑定、証拠獲得、総合的分析、専門家による論証など、以下の一連の作業を進めてきた。
1.事故車両の残骸などの物的証拠、データの保管、保護。
2.事故前後の録音テープ、ブラックボックス、無線通信設備などの装置や機器、設備のあらゆる情報の収集、分析。
3.制御室のデータを集め、データプラットフォームを作って設備に不具合が生じた際の状況を再現。
4.永嘉駅-温州南駅の事故現場での実際の車両を使った再現シミュレーション。
5.温州南駅の線路上の絶縁機能のテスト、甬温線の無線通信の電界強度測定。
また調査チームは、外部機関に以下の作業を依頼した。
1.国網電力科学研究院に、全国落雷位置評定システムを使った事故発生時の温州南駅付近の落雷データの統計、分析を依頼。
2.中国電力科学研究院に、電子部品の雷撃電流と交流電流下における溶断のシミュレーションを依頼。
3.中国気象局の専門家に、事故発生現場における落雷状況の検証を依頼。
4.工業・情報化部の評価機関に、検査チームを発足し、制御室のメインコンピュータとデータ収集装置のソフトウェア、ハードウェアを検査するよう依頼。
調査チームはこれまでに、分析会、論証会、研究討論会など200回あまりの会議を開き、1300近くの資料を閲覧した。300人弱が調査に関する質問や談話を行い、約200万字の各種の特別調査報告及び関連資料が作られた。事故で明るみになった問題について、鉄道システムの改善が早急に行われ、全路線の一斉調査と危険解消が進められている。
高速鉄道の設計、建設、運営、管理などは特殊なため、状況は複雑で、調査の進行、分野、範囲において検証が必要な部分が多い。これまでに多くの土台となる作業を行い、重要な基礎データと調査資料を得たが、技術や管理などの面で分析、検証が必要な部分は多くあり、事故調査報告をまとめるにはまだ時間がかかる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年9月22日