3月の福島原発事故発は、中国の原子力発電の開発にも待ったがかかった。中国の官僚や国民の原子力に対する態度や考え方が福島の事故により影響を受けたことは紛れもない事実である。
福島原発事故後、中国国務院が発表した「国四条」では、原子力発電安全計画が発表されるまで、原子力発電に関連する新事業の審査・認可を停止するとなっている。中国の原子力発電開発は現在足踏み状態にある。今年は新たな原子力発電所の建設は批准されておらず、批准されたものの建設が始まっていなかった原子力プラント4基も一時停止となった。これらの原子力発電所には初期建設費用としてすでに数十億元が投入されていた。
中国の原子力発電産業の発展が苦境に陥っている。そのような状況の最中、国家エネルギー局前局長の張国宝氏は公に対して次のように述べた。
「人口が非常に多く、深刻なエネルギー問題を抱えている大国として、中国は原子力発電を放棄することはできない。化石燃料が徐々に枯渇、高騰し、気候や環境保護がうたわれている時代の趨勢をみれば、中国が再生可能エネルギーを発展させると同時に、原子力発電を発展させるのは当然の選択である。さもなければ、2020年までに非化石燃料の比率を取決めの15%以上にするのは難しい」