ある米国の中華街における中国系スーパー |
米国上院は11日、人民元を対象とした「2011年為替相場監視改革法案」を可決した。だが米国の雇用を救済する「妙薬」とみなされるこの法案は、米国のメディアや国民の多くに喜びの声をもって迎えられることはなかった。「揚子晩報」が14日伝えた。
米国の中国語メディアや商店は13日、人民元の急速な上昇が米国の一般市民の生活に影響を及ぼしており、現在、米国の中国系スーパーでは値上がりの動きが出ており、最高で50%の値上がりがみられることを明らかにした。
▽中国系スーパーの値上がりの中心は油・塩・しょうゆ・酢 物価上昇の脅威
中米間の為替相場をめぐる争いは、結局のところ一般市民にどのような影響があるのだろうか。米国「僑報」の劉蔚宇記者によると、最近の中国の労働力コストの値上がりや人民元上昇の影響を受けて、現在、ロサンゼルスの中国系スーパーでは物の値段が目立って上昇しており、物価上昇の脅威に直面する可能性がある。中国系スーパーで最もよく売れている油、塩、しょうゆ、酢が値上がりの中心だ。中国人には独特の食習慣があるため、米国に暮らす中国系市民の「中国式の胃袋」を満たそうと思えば、中国から輸入された調味力を使わざるを得ない。こうしたわけで米国の中国系スーパーでは中国産調味料がよく売れている。
劉記者は「約2カ月後にはクリスマスがあり、これは米国で買い物が最も盛んになるシーズンだ。このシーズンの値上がりは人々に困惑をもたらすことは間違いない」とし、現在、多くの商店はこの問題の解決方法を模索しており、労働力需要の少ないしょうゆ類の生産を米国現地化することや、人民元上昇による輸入コストの上昇を抑えることなどを検討していると話す。
劉記者によると、現在の米ドルの対人民元レートは1ドル=6.3元だが、多くの貿易業者は前々から1ドル=5元のレートで商品代金の決済を行っている。為替レートの変動による影響をできるだけ早く回避することが狙いだという。