中国の国家指導者は包容力ある経済成長の重要性を認識している。胡錦濤国家主席が「調和の取れた社会」(和諧社会)の建設を打ち出したことは、日々激化する不平等の問題に対処することを可能にする。また第12次五カ年計画(2011-15年、十二五)は包容力ある成長に関連した内容を含んでいる。2020年をめどにややゆとりのある社会(小康社会)を達成するという約束を履行するために、中国は今、経済をよりバランスの取れた、より質の高い方向へ発展させようと努力している。
UNDPは中国政府と緊密に協力して、貧困削減のための有効なプランや、貧困から脱して豊かになる機会を増やし、不平等を減らす上での経験などを共有している。ここには、中国の各部・委員会と協力して、出稼ぎ農民労働者とその子どもに対する社会的な包容力を一層高め、労働市場における女性の地位を向上させるといった内容が含まれる。
中国を含む一連の国々は、成長モデルがもたらした課題や、これまでよりももっと人を中心とした発展モデルへの転換の重要性を認識している。
過去30年の間に、中国は目覚ましい発展の成果を挙げた。改革開放に伴い、中国は国民を貧困の中から空前絶後のスピードで脱出させた。中国は一連のミレニアム開発目標を達成し、残る目標に向かってしっかりと前進している。中国の2011年から2020年にかけての貧困削減戦略は、中国政府が貧困問題に引き続き対処すると約束したことを示すものであり、UNDPは同戦略の制定を支援したことを強く誇りに感じる。