国際連合開発計画(UNDP)のヘレン・クラーク代表はこのほど次のような論考を発表した。「人民日報」海外版が伝えた。
世界の多くの国にとって最も関心があるのは、中国の貧困人口削減の成功の裏にある経験とヒントだ。1981年から2005年の間に、中国は5億5千万人を上回る人々を極度の貧困状態から脱出させることに成功し、また過去40年の間に人類の発展史上、最速のペースで発展を成し遂げた。
中国は貧困人口削減ですばらしい成果を挙げたことや人口が多いことにより、1990-2015年に極度の貧困状態にある人口を半減させるという世界規模の目標の達成を後押ししているといえる。世界銀行の報告によると、ミレニアム開発目標のデータ関連の支援を受ける84カ国のうち、予定通りに目標を達成できた国は45カ国にとどまるという。
世界の貧困人口の約3分の2が中所得国に居住する。こうした国々の貧困人口とは、農村や貧民街に暮らす人々、原住民、少数民族、障害者、エイズ患者などだとみられる。ミレニアム開発目標の多くの指標をみると、女性が直面する状況は男性よりもかなりひどいとみられる。世界規模でみると、若年層が発展のチャンスを得られないことが懸念される。
だが政策の調整を通じて、より包容力のある経済発展を実現することが可能だ。貧困を取り除くためには、隅に追いやられた人々に仕事の機会や公共のサービス、社会保障を与えることが必要になる。政策は公平を重視するとともに、人々に自分のニーズや願望を表現したり、発展戦略の制定に参与したりする機会を与えるものでなければならない。