▽日本、うまく立ち回って「ASEAN+6」への拡大に成功
記者:将来の東アジアの主導権についてはどう見ますか?日本が重要な役割を果たすでしょうか?
劉軍紅:そうだと言える。表面上は米国が主導権を握るように見えるが、米国は東アジアの枠組み内で経済協力について話し合いをするのではなく、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を推進していく。これにより、日本はこの枠組みの中で矛盾を利用しつつ、事実上の指導権を握ることができるようになる。実は日本はすでにそれを実行している。日本はサミット前にTPP交渉への参加を宣言し、東アジアを動揺させた。もし日本、メキシコ、カナダがTPPに参加すれば、TPP参加国のGDPが世界全体の39%を占めることになり、ASEAN+3のFTAの影響力が下がるからだ。そこで日本がASEAN+6にしたらどうかと提案したところ、各国は皆同意し、結局思惑通りとなった。
実際、日本はTPPという「てこ」を使ってEASを動かした。日本はまだTPP交渉に正式に参加したと宣言したわけではない。正式な参加は理論的にはまだ6カ月先のことであり、来年春以降にならないと確定しないのだ。