記者:中国はTPPをどのように見るべきでしょうか?
劉軍紅:これは一種の駆け引きと言える。まず基本的な判断が必要だ。まず、TPPが合意に達したと仮定すると、中国に対するマイナス影響はどれくらいなのか。もう1つは、もし中国も参加したらどうか、実行可能性はあるのかということだ。現在のところ、実行可能性はあきらかに無いと言える。関税だけをとっても、現在の中国の関税は米国を大幅に下回っている。
百歩譲ってもし合意に達したとしても、TPPの効果が現れるのは各参加国と中国との間で経済貿易関係が生じたときだけだ。しかも現在の関税水準を上回ることはなく、3-4年の緩衝期間もある。こうして見ると、中国はTPPにうろたえる必要はなく、動きを静観するという態度でいればよいことが分かる。ただし、ASEANとの関係を引き続き深化させる、ASEAN+3を動揺させない、という2つの原則が必要だ。