▽技術はまちまち 統合の難度は大
ソニー、東芝、日立は最近、フラットテレビ市場でも楽観してはいられなくなった。ソニーは8年連続の赤字、東芝が中国で手がける機種はいずれもOEM生産で、日立は年内にすべてのテレビ業務をアウトソーシングにし、パネル事業から遠ざかるとしている。3社が液晶パネルで採用する技術はばらばらで、高レベルのパネル技術でもそれぞれ得意分野が異なる。日立は現在人気の広視野角のIPS技術などを擁し、東芝は低温ポリシリコンパネルの第一人者で、ソニーはAMOLEDパネルで多くの技術と特許を蓄積している。このように得意分野が異なるため、3社の事業統合には大きな困難がつきまとうとみられ、新会社の設立後に調整が行われる必要がある。
INCJはパナソニックの千葉工場を買収して中・小型パネルを製造する計画で、買収手続きは2012年4月に完了し、買収額は200億円に上る見込みという。この買収により、新会社は合併後の生産能力不足の問題を解決し、競争力を向上させるとみられる。だが東芝は買収コストが新工場建設にかかるコストよりも高いとして買収への態度を保留しており、ソニーとともに石川県か愛知県での新工場建設を検討している。
「人民網日本語版」2011年11月24日