ドイツ銀行による最新の「2012年世界経済展望報告書」によると、2012年の中国経済とアメリカ経済はともに回復し、欧州経済の衰退も加味しつつ、世界全体で3.5%の経済成長を予測している。
ドイツ銀行は、EU地域での最大のリスクはイタリアにあるが、同国は債務支払能力を持っているとの認識を示している。スペインの状況が好転したことは良いニュースだが、これは同国が調整経済を容認したことを示している。またアイルランドの競争力も上がっており、市場の悲観的観測は後退している。
しかし同レポートは、2012年はフランスが焦点になるとの見方を示す。大統領選挙が近づいていることと、フランスの国債格付けAAAに対する海外での懐疑的な態度が見られることが主な理由だ。フランス政府は最近、さらなる歳出削減を表明しているが、2012年の成長は伸び悩むと予測されていることから、さらなる財政政策を実施しなければ格下げは逃れられないだろう。