(3)香港の国際金融センターの地位は代替できるものではない。香港は現在、重要な発展期にある。香港は背後に祖国を抱えつつ、世界と面している特殊で特権的な場所に位置する。香港の金融センターとしての地位は、輸送センターとしての地位、貿易センターとしての地位とともに、他の地域では代替できないものである。
上海の持つポテンシャルが巨大なのは確かだが、国際金融センターになる道はまだ遠い。現状からみれば、資本市場の環境、人民元の自由化が実現していないなど、上海には多くの制約がある。短期的に見れば国際金融センターになるのは夢物語といえるだろう。
人民元がハードカレンシーにならない限り、中国での資金の流れが開放されない限り、中国の法制度と管理システムが不健全な限り、香港は中国唯一の金融センターであり続けるはずだ。(著者:対外経済貿易大学金融学院・邱兆祥教授)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年1月31日