スイスのダボスで開かれていた世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が現地時間29日に閉幕した。会議では欧州債務危機が焦点となったが、危機解決への効果は非常に小さいとの見方が一般的だ。
ドイツのメルケル首相は開幕式で演説し、「債務問題はすぐに解決できるものではなく、財政緊縮も債務危機を根本的に解決する方法ではない。ユーロ圏が困難を脱するには、積極的な雇用政策と政治体制改革に頼らなければならない」と述べ、労働政策と不合理な雇用制度を見直して雇用を増やし、特に若者の雇用を促進すべきだと主張した。国際通貨基金(IMF)のラガルド総裁は、経済成長の実現、有効な金融防火壁および統一された財政同盟の構築などを債務危機の対応策に挙げたが、これらの対策を実行するのは極めて難しいと見られている。
中には悲観的な見方もある。イギリスのキャメロン首相は、ユーロには制度面の支援が欠け、持続可能性はないと見ている。また、「破滅博士」ことルービニ教授は、欧州中央銀行(ECB)が危機救済に介入しなければ、ギリシャは1年半以内にユーロ圏を離脱する可能性があるとの見方を示した。
ある外国メディアは、今回のダボス会議は「未完成」のフォーラムで、欧州債務問題に解決の光が見えないとした。
欧州連合(EU)の2012年最初の非公式首脳会議が30日にブリュッセルで開かれ、EU首脳が財政協定の詳細について合意に達し、協定を通してEUの財政規律を強化し、欧州債務危機の解決に向けた大きな一歩を踏み出すことが望まれている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年1月31日