日々深刻化する「従業員難」は、沿岸部にある産業の進出先である内陸の中・西部に暗い影を落としている。
華中師範大学中国農村問題研究センターの徐増陽氏は、「数年前から、多くの産業が移転し、そのおかげで、中・西部には発展のチャンスが溢れていた。一部の地域では著しい成果も見られた。しかし、一方では大きなメリットだった労働コストの低さが失われている」と指摘する。
「産業移転がもたらした『従業員難』にはプラスの面もある」と徐氏は言う。労働力は生産に欠かせない重要な要素として、今までよりも更に重視され、優遇される。それが従業員の不足問題を解決することにもつながる。大都市へ出稼ぎに行く労働者は、都市と同じレベルの待遇を受ける事ができ、社会保障制度も整備される。また、労働者の能力を伸ばし、技術を育て、都市住民と同じレベルの生活を一刻も早く送れるような政策ルートが形成されるはずである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年2月16日