モルガン・スタンレーの大中華区主席経済学者の喬虹氏は、近日開かれたラウンドテーブルの際に、「中国経済の前期比成長率が最低だった時期は過ぎ去った。中国経済はインフレ率の低下を背景に、安定的な成長を実現している。GDPは8.4%増、CPIは3.4%増となった。うち投資によるGDP牽引が依然として主流であり、GDP成長率の50%以上に貢献している。その一方で輸出によるGDPへの貢献はゼロである」と述べた。経済参考報が報じた。
喬氏は、「中国経済の前期比成長率が最低だった時期は過ぎ去った。2012年第1四半期のGDP成長率が、市場が予想したような7%以下になることはない。中国経済は昨年の第4四半期より回復を始めている。まず固定資産投資の増加率が鈍化しているが、依然として高い増加を維持しており、工業・製造業の投資が中心となっている。次に輸出増加率の鈍化が予想されていたほど深刻でなく、EU・米国への輸出状況が改善されつつある。さらに政策が金融緩和に向かっており、財政支出が大幅に増加している」と述べ、「2011年末の財政預金は1兆2600億元に減少したが、中央銀行は今年、これらの支出に対して措置をとっていない。1兆2600億元により生み出される流動性は、準備預金率の3度の切り下げに相当する」と指摘した。
CPIの動向について、喬氏は「今年上半期、CPIの上昇は抑制される。しかし下半期に関しては未知数だ」とした。世界の流動性は今年顕著な弛緩を見せ、弛緩した流動性が中国に向かうとされている。この状況下、中国がいかなる金融政策をとるかが重要となってくるが、困難な選択を迫られるだろう。
「人民網日本語版」2012年3月9日