林国本
このところ、メディアで一部沿海地域の企業の求人難が伝えられている。これまでは旧正月明けには、また里帰りしていた中西部の人たちがどっと沿海部に戻ってきていたが、最近はこの人たちの郷里である中西部の経済も徐々に発展をとげていることもあり、一部の人たちは、年老いた両親や幼い子供たちの面倒をみるため、あえてはるばる沿海部に職を求めることもあるまいと、収入、生計費支出を比較して、それほど差もないので、故郷に残る人が少しずつ増えている。沿海部の企業主たちは、福祉、給料の改善でこの人たちを引き付けておこうと頑張っているようだが、やはり、働き手を十分そろえることができず、困っているようだ。これは中国経済全体の発展によってもたらされた新しい動きであると見てよい。
また、かつて沿海部に出稼ぎに行っていた人たちの中から、技術を身につけて故郷で起業している人も少しずつ現れている。沿海部の企業主の中には、いっそのこと中西部に工場を移した人たちもいる。専門家たちによると、こうした変化は当初から予想していたことらしい。つまり、中西部の経済の発展や都市化の漸進的発展により、中西部でも仕事が見つかるようになり、沿海部の企業は中西部にシフトするが、さらなるグレードアップによって、構造を改革することが求められることになろう、と当初から予測していたのである。
今年の全国人民代表大会では、農村部への取り組みを強化することが打ち出され、すでに次々と措置が取られている。また、農村部の中等専門学校、職業技術学校の生徒への学費免除などもすすめられており、いまや新しいタイプの近代化農業技術を身につけた農業従事者を育成する段階に入ったのである。