世界には食糧を自給自足できない国もいくつかあるが、中国は13億余の人口のある国であり、これまで13億余の民を養う面でいろいろ貴重な経験を積んできたことは確かにすばらしいが、これからはただ腹いっぱい食べるだけでなく、よりおいしいお米、より安全な野菜を十分食べられるようにするには、農業に力を入れなければならないと思う。
陝西省に行った時に、楊凌農業科学研究基地を見学したことがあるが、最近の動きで、農業科学技術者を生産の第一線に送り込んで食糧安全の確保に力を入れているのを見ていると、やはり地球の人口が70億に達したこの時に中国も転ばぬ先の杖というか、食糧安保の面で先手を打ったといえよう。
近代化がどんどん進み、都市化も徐々にすすんでいる昨今のこと、宇宙産業や近代装置産業の急速な発展を大いに喜ぶべきであるが、人間にとって不可欠の食の問題も上手に解決すべきであり、そうしてこそ、中国はGDPで世界二位のBRISCSの一員として胸を張って世界に羽ばたけるのではないだろうか。
イスラエルのような困難な条件のもとでもあれだけのことができるのだから、五千年の文明史のある、沃土に恵まれた中国にできないはずはないと思う。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年4月12日