世銀、中国の経済成長率予想を8.2%に下方修正
世界銀行は12日、北京にて『中国経済四半期報告書』を発表した。中国の今年の国内総生産(GDP)成長率を同銀行が以前発表した8.4%から、8.2%へとわずかに下方修正した。来年、世界経済が好転すると見られるため、中国のGDP成長率は8.6%となり,以前発表した8.3%より高くなると予想している。
報告書は「中国経済は徐々に減速しているものの、十分な政策調整の余地があり、景気後退のリスクに対応する事ができると見られる。周期的な低迷は、ここのところ中国が直面している問題である。中国経済のソフトランディング実現に関する見通しは明るいが、景気減速ペースの加速化への懸念もある。長期的に見て、主なリスクは経済の構造的要因による景気減速局面で、どのように持続可能な発展を実現するかである」と指摘している。
世界銀行中国担当チーフエコノミストの韓偉森氏は「消費成長の伸びがやや鈍化し、投資の成長の減速傾向が強まっていることに加え、外需は一向に不振から立ち直ることができていないため、中国の経済成長が緩やかな減速傾向をたどるだろう。一方で、経済過熱のリスクが緩和されるにつれ、ソフトランディングの実現が期待できる」との見方を示した。
報告書では、昨年の中国の政策的注目点となっていたインフレは既に緩和傾向にあり、今年の消費者物価指数(CPI)の前年同期比伸び幅は3.2%に低下すると予測された。韓偉森氏はまた、「3月の物価水準は上昇が見られたものの、それは一時的なものであり、全般的に見れば、インフレは依然、制御可能な範囲内にある」と指摘した。