東風ホンダ汽車有限公司の倉石誠司総経理(社長)はこのほど「南方日報」のインタビューに応え、ホンダの低迷の原因や今後の中国現地化の戦略などについて次のように述べた。
--ホンダが過去2年間に中国での成長で後れを取ったのはなぜか。
経済危機によりホンダは世界で巨大な圧力に直面することになった。中国は自動車奨励政策の実施により、全体的な成長ペースがわれわれの予測を上回った。2008年から現在まで、ホンダは中国で平均10%の成長率という所期の目標を達成したが、他社の伸びに比べると低いペースで、市場シェアは減少した。とくに政策で奨励された1.6リットル以下クラスの製品をめぐり、ホンダは素早く対応できず、製品が非常に少なかった。今後は小型車を中心とする方向へ転換していく。
--現在、ハイブリッドカー市場ではトヨタが優勢だ。ホンダには何か独自の優位点はあるか。
2015年に中国はガソリン消費をめぐるより厳格な法規を打ち出すとみられ、ハイブリッドエンジンは重要な環境保護技術となる。われわれは近い将来、中国が世界最大のハイブリッドカー市場に成長するに違いないとみている。ホンダのハイブリッドシステムの特徴は軽量、スキのなさ、低コスト、高性能で、小型車での使用により大きな重点を置いている。今後われわれは中型車や大型車に適したハイブリッドエンジンシステムも開発していく。
われわれの行った調査によると、ハイブリッドカーとガソリン車を比べ、ハイブリッドを選んだ場合に消費者が受け入れ可能な購入コストの増加額は1万5千元から2万元だった。日本ではハイブリッドカーとガソリン車との価格差は1万7千元で、中国と大差はない。輸入車はコストが高く、コスト増加額をこの範囲に収めることができない。そこでホンダは電池や電機製品といった重要部品の国産化を早急に進める計画だ。だが短期間で合弁会社がハイブリッドカーを大規模に販売して利益を上げるようになるとは、われわれは期待していない。
--ホンダは現地化での調達の割合をどのように上昇させるか。
これまでの車種は海外のサプライヤーと研究開発したものであり、完成車が中国市場に導入されても、知的財産権などの問題があって、部品調達先を現地のサプライヤーに切り替えることは難しかった。これからのホンダは中国専用の車種や中国主導の車種を増やし、研究開発の早い段階に現地のサプライヤーを取りこむ予定で、こうすれば現地での調達率を一気に引き上げることが可能になる。現地の優れたサプライヤーに対し、ホンダは米国などの国際市場への売り込みを助けることもできる。
「人民網日本語版」2012年4月14日