中国人民銀行が12日に発表したデータによると、3月の人民元建て新規貸付額は1兆100億元で、前年同期より3320億元増加した。3月末の広義マネーサプライ(M2)残高は89兆5600億元で同13.4%増、2カ月連続で回復した。アナリストは、3月の貸付額の予想を上回る伸びは、安定的成長の維持に向けた金融緩和政策の方向性が具現されたと見ている。M2伸び率の回復は、資金流動性の転換点が現れたことをさらに裏付けた。これらは株式市場反転上昇の好材料にもなる。今後、経済成長を促すため、通貨政策が引き続き緩和すると見られ、預金準備率引き下げの可能性も残っている。
第1四半期の融資目標を達成
1月の新規融資額が7381億元、2月が7107億元だったように、今年に入って貸付状況は望ましいものではなかった。これまでに、市場では第1四半期新規融資額2兆4000億元前後の貸付目標が達成できない可能性があると予測されていた。ところが、3月の新規融資額が1兆元を超えたことで、第1四半期の貸付額も貸付目標を上回る2兆4600億元となった。
アナリストは、3月に貸付額が急増した理由について、「1つは企業稼働率の増加、政府融資プラットフォーム関連政策の明確化や、1軒目住宅購入のローン金利引き下げに伴い、実体経済の融資ニーズが回復したこと。もう1つは四半期末の銀行の預金吸収強化や財政預金の増加による預貸率の低下が銀行の貸付余地を広げた。さらに、近ごろ銀行は貸出金利の引き下げによる貸付拡大に傾いている動きも見られる」と述べた。
中国人民銀行が公表した統計によると、3月の人民元建て預金は2兆9500億元増加し、増加額は前年同期を2712億元上回った。2月を1兆3500億元上回った。これについてアナリストは、四半期末に行われる預金集め、財政預金の増加、財テク資金の還流による影響が大きいと見ている。