中国人民銀行(中央銀行)が明らかにしたところによると、ASEAN(東南アジア諸国連合)+3(中国・日本・韓国)の財務相・中央銀行総裁は5月3日、緊急時に外貨を融通し合うマルチ化されたチェンマイ・イニシアチブ(CMIM)の資金枠を2400億米ドルに倍増することで合意した。各国の出資比率は変わらない。国際通貨基金(IMF)の融資制度と「連動しない」参加国の独自判断で発動できる融資枠を従来の20%から30%まで引き上げ、救済資金の利用期限も延長される。8日付中国証券報が伝えた。
今回はASEANと中日韓財務相会議に各国の中央銀行総裁が加わった初めての会議となった。会議では世界全体と各地域の経済・金融情勢及び各国の対応政策に関して、意見交換を行い、チェンマイ・イニシアチブのマルチ化(CMIM)という金融安全網の危機対応能力を強化することで同意した。会議では、現存の危機解決メカニズムを「チェンマイ・イニシアチブ・マルチ化安定基金」と名づけることを決定、また新たに構築される危機防止メカニズムを「チェンマイ・イニシアチブ・マルチ化予防的融資ツール」と命名することで合意した。
中国人民銀行は「世界の経済・金融情勢が険しい中、合意内容は金融リスクに対応する能力をより強化することにプラスとなる。世界及び各国の金融市場を安定させ、経済の強力でバランスの取れた持続可能な成長を推進する上で有意義である」としている。
「中国証券報」より 2012年5月8日