モーターショーは自動車メーカーにとって自社の自信作を展示する絶好の舞台である。しかし自信作以外のものをうっかり展示する場合も少なくない。最近開催された北京モーターショーも同様だった。自主ブランドメーカーの自信作とは言えない展示車と海外ブランド車との差は誰の眼にも明らかだった。とはいえ、そのような差は、自主ブランドメーカーがいい意味での焦りを示しているようにも感じた。
自主ブランドの焦りはいたるところで見られる。たとえば、うまくブランディングができていないメーカーは、すぐに新しいブランドを立ち上げようとしている。彼らはモーターショーで毎回、先を争って新しいブランドや新型車をお披露目している。彼らは常に新しく、革新的な技術を打ち出している印象を与えている。しかしこのような、とにかく何でも取り入れたがる自主ブランドメーカーのあくせくした態度は、戦略面で消化不良を起こしている。
規模や守備範囲を広げ、利益も上げてはいるものの、基本的な品質や性能、技術など、地道にやるべきことは軽視されている。現在、市場は以前ほどの伸びをみせなくなっている。売り手市場でなくなっている以上、自分たちがどんなブランドを構築するべきかを改めて考えるべきだ。