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中国社会科学院日本研究所書記・副所長高洪氏
2011年の日本経済は多くの内憂外患に見舞われた。年初めに欧州の主権債務危機の深刻化などの影響を受け、日本の景気回復の動きに停滞の兆しが現れた。大震災は日本経済に致命的な一撃を加えた。日本経済は大震災の影響から徐々に回復しているが、その勢いは極めて弱く、通年のマイナス成長は免れない状況である。2012年の展望については、震災後再建による刺激効果は日本経済が回復し続けるかを決定づける。また、欧州債務危機を抑制できるか、財政・税収体制改革がどのような影響をもたらすかも日本の経済動向を見る際に注目すべき重要な要素である。
大震災が日本経済に及ぼした短期的な影響はほぼなくなり、世界の経済環境の悪化が景気回復を妨げる主な要因になっている。欧州債務危機の悪化、世界経済の停滞は2012年の日本の経済動向に多くの害を及ぼすことになる。
（1） 景気低迷により欧米市場は萎縮し、日本の輸出に直接影響する。
（2） 金融の不安定が株式市場の低迷、銀行の貸し渋り、外貨市場の変動につながり、日本の金融環境を悪化させることになる。
（3） 欧州債務危機によるデモンストレーション効果が日本の国債市場にさらなる影響を及ぼし、日本の財政危機を深刻化させる可能性がある。
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