国際的な貿易取引プラットフォームの中国進出口貨物商品交易会(広交会)が1957年に広東省広州市でスタートすると、「中国製造」(メードインチャイナ)はここを拠点として世界に開く窓口を獲得した。それから50年以上が経った2012年5月28日から6月1日にかけて、第1回中国(北京)国際サービス貿易取引会(京交会)が北京で船出する。これにより、世界で唯一のサービス貿易12大分野をカバーする総合的なサービス貿易プラットフォームが北京に「永住」することになり、中国サービス貿易が国際協力に深く参与する道のりが切り開かれることになる。また京交会の開催によって、中国の開放型経済の発展が新たなチャンスを迎えることが予想される。「人民日報」海外版が伝えた。
▽サービス貿易は30年で10倍に
ここ数年来、国際サービス貿易が力強く発展している。あるデータによると、1980年から2010年にかけて、世界のサービス輸出は3673億ドルから3兆6639億ドルに増え、30年で約10倍増加した。世界の輸出全体に占める割合も7分の1から約5分の1に増加した。これまで長年にわたりサービス貿易で赤字だった中国も飛躍的な発展を遂げ、84年は44億ドルにとどまった輸出額が03年は初めて1千億ドルを突破し、11年は4191億ドルに達して、世界のサービス貿易ランキングの順位は4位に上昇した。
京交会組織委員会の副主任を務める北京市の程紅副市長は次のようなたとえを用いて説明する。普通のコップは中国国内では10元で販売される。これにさまざまなサービス貿易の概念を付け加えれば、10ユーロや50ユーロで販売できるようになる。両者の違いは販売ルート、ブランド、デザイン、包装といった市場的要素だ。
商務部の仇鴻部長助理(部長補佐)によると、サービス貿易分野で行われている一連の新たな技術のグレードアップや産業再編の歩みが加速を続け、プロセスの制御、デザインの研究開発、市場での営業販売、顧客サービスを重要な内容とするハイエンド生産型サービス業が世界各国で人気を集めており、先進経済体のイノベーション産業が世界のバリューチェーンのハイエンド分野に相次いで進出している。サービス貿易はすでに国際経済の競争の焦点であり協力のポイントであり、国際産業チェーンにおける各国の分業上の位置づけや利益分配の局面を変化させつつあるという。
仇部長助理の分析によると、過去10年間に貨物貿易は外需の影響によって大きく変動したが、サービス貿易は基本的に安定を保った。特に国際金融危機が発生し、グローバル市場のニーズ低迷が続く中で、サービス貿易は各国でますます広く関心を集めるようになっているという。