そのほか、工場から出た鉛や重金属、住民による殺虫剤や化学肥料の過剰使用も土壌に影響を及ぼしている。これらの危機は次第に広く知られるようになっている。中国メディアの報道によると、土壌汚染の影響を受けた食糧は年間120億キログラム、経済損失は200億元に上る。
陳同斌氏は、「中国の汚染が深刻な土壌は20%以下」としながらも、大気と水中にある汚染物質の80%が最終的に土壌に及ぶため、問題は更に深刻になると警告した。中国が直面する最大の試練は水質汚染だが、すでに対策をとっているという。また、「土壌汚染は解決が難しいため、重点的に取り組む必要がある。汚染された土壌を救う任務は重く、厳しくなっている」と話した。
土壌改善の考えが徐々に重視されるようになっている。中国農業科学院農業資源・農業区画研究所の黄鴻翔研究員は今年初め、中国は生産量以外にも目を向けるべきだとし、「土地の質を改善せず、投資増加や技術改良だけを行えば、どんな素晴らしいコメや小麦などの農作物を開発しても、中国の農業の持続可能な発展を保障することは難しい」と警告した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年6月15日