このほど中国人民銀行は、8日より金融機関の人民元預金・貸付基準利率をそれぞれ25ポイント引き下げることを決定した。直近3年半で初めての引き下げになる。これは何を意味し、市場や国民にどのような影響を与えるのだろうか。
国務院発展研究中心金融研究所の副所長である巴曙松氏は、世界的なインフレ圧力が弱まるにつれて欧州経済の疲弊などの影響を受け、主要な経済先進地域と経済新興地域のどちらもが通貨政策緩和に向けて再び動き出していると指摘する。中国人民銀行の今回の金利引き下げ実施はこういった国際情勢と歩調を合わせるものであり、安定的経済成長が改めて各国の経済政策の目標になっていることを示しているという。
今回の金利引き下げでは以前と異なり、同日付けで金融機関の預金金利変動幅の上限を基準利率の1.1倍、貸付金利の変動幅の下限を基準金利の0.8倍に調整することが同銀から発表された。同銀通貨政策委員会の一員である夏斌氏は、「これは非常に重要な意義がある。金利変動幅の拡大は銀行の金利設定における自己裁量権の拡大につながり、中国は金利自由化で大きく前進したことを意味している」と指摘する。