中国国家統計局は近日、第1四半期国内総生産(GDP)などの主要経済指標を公表した。これに対し、日本の各経済研究機関が次々と調査報告を発表し、中国の現在の経済情勢及び今後の動向について分析を行った。
三菱東京UFJ銀行の報告は「GDPの続く下落は、中国政府が実施していた緊縮政策による積極的な調整の結果である。中国政府は長期的な視野で持続可能な発展の道を進み、発展の質を追及し、構造調整を推進しているため、現在の調整傾向を堅持している。新な大規模の刺激政策を実施する可能性はなく、『穏中求進(安定の中で進歩を追求する)』路線は依然、次の段階での中国経済の主な傾向となるだろう」と見ている。
日本総合研究所の報告では「2012年に入ってから、中国の個人消費が強い勢いで回復している傾向がある。近年、中国政府は雇用促進と国民収入の増収に力を入れており、消費の前提である収入環境は不断に改善されている。また、注目したい動きとしては、中国の中西部内陸地域が正に東南海沿岸地域に取って代わり、消費を後押しする新たな中心勢力となっていることだ。2010年から2011年にかけての家庭の平均消費支出額の成長から見ると、北京・上海・広東などの地域の増加幅は緩やかになっている一方で、陜西・山西・新疆・湖北などの地域が消費支出額の上位にランクインし、比較的大きな成長の潜在力を持っていることがわかる。これは中国の地域経済の一種の変化を表しており、他国に対する中国経済を悲観する必要はないとのアピールにもなる」と見ている。