◆中小企業への貸し渋りが拡大
不良債権率の上昇で、温州市の銀行で中小企業への貸し渋りが拡大したことを受け、同市の中小企業の融資難問題がますます深刻化している。
民間金融危機の発生により、温州市の民間信用システムはすでに破綻に近い状態にあり、企業の資金調達コストが大きく増加している。ある信用保証会社の関係者は、「企業のバランスシートを見る限り、企業の経営状況は良好で、負債比率も健全な水準をキープしており、経営者個人の能力も信用にも問題はない。しかしこれらの企業が、裏では高利貸しに手を出している可能性もあり、不安だ。安全性が確保されない限り、お金が余っていても融資を控えている」と語った。
温州中小企業促進会の周徳文会長は、「企業と企業、銀行と企業、個人と個人のいずれの場合も、相手を信用できない状況となっている。銀行の貸し渋りが深刻化しており、融資の条件が厳しくなっている。また、毎年3―6月は返済のピーク期で、中小企業は苦境に立たされている。民間金融危機と銀行による貸し渋りは、温州市の銀行の不良債権率の持続的な上昇を招いており、中小企業の融資難問題をも深刻化させている」と分析した。