中国西南部にある貴州省丹寨県「卡拉村」は少数民族「苗族」の集落だ。この村は「鳥かご」の生産で中国全土で有名である。年間約10万個の鳥かごがここから作り出され、全国各地ひいては東南アジアにまで販売されている。「卡拉村」は中国の「鳥かごの郷」と呼ばれている。
しかし、二十年前までの「卡拉村」の様子は、現在と雲泥の差があった。当時、村人たちの収入は農作物を栽培したり、近郊の町に出稼ぎに出ることからしか得られず、生活は大昔から余り変わっていなかった。当時の「卡拉村」は地元でも有名な貧困地域であり、政府からの補助を受けていた。
二十年前のある日、村の若者たちは先祖代々伝えられていた手工芸で作った数十個の「鳥かご」を県の町に持っていき、売り歩いてみた。それが意外に好評でたった2時間で売り切れた。これを契機に村人たちは「鳥かご」作りを始めたのだ。
「卡拉村」が生産した「鳥かご」は2年から3年目の孟宗竹を原材料にしており、非常に造りが丈夫で簡単に変形しないという。また、値段も手頃で、市場で大変な人気となっている。十数年間の努力と工夫で生産は拡大、「鳥かご」は既に村の経済を支える重要な基幹産業になった。現在、「卡拉村」の村民151世帯のうち、118世帯が「鳥かご」の生産に従事している。2011年1年間だけで10万個の鳥かごを生産し、その売り上げは500万元を突破した。消費者のニーズに合わせて、鳥かごの価格帯も50元から1600元まで取り揃えている。「卡拉村」はまさにその名に恥じない中国最大の「鳥かご」生産拠点となったのだ。「鳥かご」作りの手仕事で、村の1世帯あたりの年間所得は3万元から4万元にまで向上した。