中国人民銀行(中央銀行)が7月12日に発表した上半期の金融データによると、2012年上半期の人民元建て新規貸付額は4兆8600億元で、前年同期比6833億元増加した。うち、6月の人民元建て新規貸付額は9198億元で、同2859億元増加した。上半期の全社会融資規模は7兆7800億元で、前年同期比135億増加した。金融政策の緩和が6月の貸付の大幅増加に繋がったものの、経済の自律的成長力は依然弱い。今後の金融政策は引き続き緩和傾向を維持し、年内の金利・預金準備率再引き下げの可能性は依然存在すると見られている。13日付中国証券報が伝えた。
◆中・長期貸付の割合が低く
データによると、6月末、広義のマネーサプライ(M2)は前年同期比13.6%増で、5月末を0.4ポイント上回った。狭義のマネーサプライ(M1)は同4.7%増で、5月末を1.2ポイント上回った。
交通銀行金融研究センターの報告書は「預金の大幅な増加、財政預金の減少などが、6月のマネーサプライ伸び率の上昇に繋がった」との見方を示している。
政策緩和が新規貸付の増加を後押しした。6月の人民元建て新規貸付が9198億元となり、5月より1266億元増加したのは、主に経済成長が落ち込む状況下での金融政策緩和の効果を反映している。しかし、中・長期貸付の割合は依然低い。
「企業向け新規貸付のうち、6月の中・長期融資は2782億元増加し、全体に占める割合はたった26.6%で、足踏み状況が続いている。手形融資はたった340億元で、四半期末であることが主な要因と考えられる」と平安証券固定収益事業部研究主管の石磊氏は言う。
中金公司のチーフエコノミストである彭文生氏は「貸付構造から見ると、6月の新規融資のうち、手形融資と短期融資の割合が再び上昇しており、中・長期貸付の割合が下がっている。つまり、金融部門の『経済の安定的成長の維持』に向けた支援強化の効果が、まだ存分に発揮されていないことを示す」と見ている。