◆経済の自律的成長力なお弱く 年内追加利下げの可能性あり
彭文生氏は「既に発表された6月の購買担当者景気指数(PMI)・インフレ・貿易のデータから見ると、経済の自律的成長力は弱く、政策が『経済の安定的成長の維持』を重視する傾向がより明確になっており、短期の金融政策は依然緩和傾向を維持する。7月の消費者物価指数(CPI)は前年同期に比べ1.6%前後低下すると見られ、インフレ圧力は概ねなくなり、もはや政策緩和の足かせにはならないだろう。人民銀行は引き続き、公開市場操作・利下げ・窓口指導などの多様な方法によって、銀行の貸付放出を強化し、年内に再び金利を1回引き下げると見られる。また、7月の流動性は依然ひっ迫しているため、預金準備率を引き下げる可能性が高い。その他にも、インフラ投資の加速により、地方融資プラットフォームの適度な緩和が求められ、貸付需要が更に増加することが期待される」との見方を示した。
交通銀行の報告書は「2度の利下げによって、現在の預金金利はほぼ過去10年来の中間値にある一方、貸付金利は明らかに中間値よりも低くなっている。2012年通年のCPI伸び率は3%を大きく下回ることはないだろう。今後の預金金利の実質的な引き下げの幅は小さく、預金の基準金利も大幅に引き下げられる可能性はない。第3四半期の物価上昇率が引き続き低下するという見解に基づいて、企業の融資コストを軽減し、銀行と実体経済の関係のバランスを取る観点から、再び金利を引き下げる可能性は否定できないが、2008年下半期のような持続的な大幅の利下げは行われないと思われる。また、外貨準備増加に伴う自国通貨の放出額が減少する影響に対応し、同時に銀行の貸付放出と足並みを揃え、実体経済への支援を強化するため、年内に預金準備率を適した時期に適度に1―3回、1回につき0.5ポイント程度引き下げる可能性がある」との見方を示している。
「中国証券報」より 2012年7月13日