もう一つはアップルのような企業が採用するヨコ型の分業モデルで、アップルはこのモデルによって企業発展の非常に大きなチャンスをものにしてきた。ヨコ型の企業はある産業の産業チェーンをオープンにし、デザインや中核的部品といった難易度の高く営利性の高い部分だけをコントロールする。金融に関連する業務もコントロールの対象で、営利性が低く単純な生産・組立産業は発展途上国に任せることにした。こうしたモデルの発展は実際には非常に効果的なものであり、日本のタテ型の産業調整モデルにとっては大きな挑戦となった。日本では現在、こうした点を踏まえてどのように調整をおこなうかの検討がなされている。
▽李克氏の紹介
李克氏は世界的に有名な経済学者で、日本大学大学院グローバルビジネス研究科EMBA課程の終身教授、日中管理学院の院長、経済誌「アジア太平洋経済評論」の編集長、アジア開発銀行(ADB)の研究員を務める。長年にわたりアジア・太平洋地域の経済や企業の管理について研究を行い、中国経済と日本経済について独自の見解を発表している。
「人民網日本語版」2012年7月16日