◆巨額赤字の原因
同社の2011年度の赤字額は、初めて100億ドルの大台に迫った。過去4年間の赤字額は計150億ドルに達し、時価総額も約5分の1の200億ドルとなった。
円高の進行を受け、日本家電業界の海外における利益が減少している。アップルやLG等の韓国企業が躍進するほか、地震による津波等の自然災害による影響も生じている。日本の老舗家電メーカーは、昨年から苦境に立たされ続けている。2011年会計年度、売上高の70%を海外事業に依存するシャープも、46億6000万ドルの赤字を計上した。
家電業界に詳しい劉歩塵氏は、「昨年より、日本の家電業界全体が下り坂に入っている。これは近年の市場適応能力の低下、柔軟さに欠ける社内体制と関連している。技術面で後発者に劣るほか、パナソニックはマーケティング戦略も保守的で、苦境に立たされる原因となった」と分析した。