中国大陸部は大きな労働力、優秀な人材、広大な市場を提供している。その間に大陸部でも、「小フォックスコン」と称される比亜迪、TCL、京東方等、垂直統合モデルの企業が現れ始めた。
日本や韓国の電子企業と異なり、鴻海は創業時に部品のOEMを手がけていたため、垂直統合モデルは川上からではなく、産業チェーンの川下から遡る形をとった。OEMから始まった企業のため、鴻海は現在も自主ブランドを樹立しておらず、アップル等の提携先を刺激する「自殺的」な挑戦に出ることができない。しかし鴻海にも発展の余地が残されている。強力なルートを持つことで、産業チェーンにおける発言権を獲得するのだ。
これは鴻海の郭台銘会長が、フォックスコンの「6C」における「Channel」(ルート)を強調する理由だ。同社はeコマース事業等のルートを通じ挑戦を続け、現在も大きな成果を手にしていないが、推進を強化している。鴻海はソニーやヒューレット・パッカード等の世界各地の工場を買収しているが、これにより関連ブランドへの浸透を進めておりM2C(Manufacturers to Consumer)方式の構築を支える。