◆デフレの恐れは無し
CPI上昇率の低下を受け、市場からは中国経済のデフレに対する懸念の声があがっている。中国のCPI上昇率は今年2月から3%台に、6月からは2%台になっており、7月には1%台を記録した。半年の間に、3%台から1%台まで低下したのだ。新興経済国のCPI上昇率は一般的に3%が基準とされており、中国のCPIの急速な低下が懸念されている。
中国国家統計局の盛来運報道官は、「デフレはインフレと正反対に、物価が低下を続ける現象だ。デフレは通常、マネーサプライの大幅減少と景気低迷、もしくは不況に伴い生じる。上半期のマネーサプライ(M2)は13.6%増となり、人民元建て新規融資は4兆8600億元増となった。GDPの成長率も約8%と、適度なペースを維持している。ゆえにデフレが生じているという結論は導き出せない」と述べた。
左氏は、「CPI上昇率の低下は、デフレを意味するものではない。インフレは過度な経済発展と、デフレは景気低迷と関係している。中国が今年、安定成長の目標を達成すれば、デフレのリスクが生じることはない」と分析した。
復旦大学経済学院の孫立堅副院長も、「中国経済が直面しているのは、スタグフレーションで、デフレではない。マネーサプライは依然として増加しており、流動性が依然として確保されているが、実体経済にまだ反映されていない。インフレのリスクが依然として高い」と語った。