かつて好調な業績を誇っていた世界第2位の小売大手のカルフールは現在、全面的に事業を縮小している。同社がシンガポール市場からの撤退を発表した同日、中国区の事業が売却されるという噂が伝わった。中国の小売企業の関係者は、「同社の中国区の事業が売却されるならば、購入者は華潤万家になるだろう」と述べた。カルフール中国区の広報部はこれに対して、「本社は中国での投資を続ける。中国市場は今後も安定成長するだろう」と答えた。北京晨報が伝えた。
欧州債務危機の影響を受け、カルフールは欧州市場で苦境に立たされている。同社の今年第2四半期の報告書によると、フランスでの売上高は2.1%減、欧州のその他の地区では3.5%減となった。同社のフランス本社は8月末、社員全体の8%に達する500-600人の削減計画を発表した。アナリストは、「同社の70%以上の事業が欧州に集中しており、欧州の事業を復興させるためには30億ユーロが必要だ。その際、その他の市場の事業買収が、資金調達の主な手段となる」と指摘した。
カルフールは近年、世界市場における事業を縮小し続けている。同社は2009年より、日本、メキシコ、ロシア、タイの小売業市場から撤退しており、今年もギリシャおよびシンガポール市場からの撤退を発表した。