▽穀物価格は影響を受けない
中国農業銀行戦略計画部がまとめた研究報告によると、国際市場での穀物価格上昇が中国の一部の穀物価格を小幅に変動させる可能性があるが、中国は小麦や米といった国民が食べる穀物の自給率が95%に達しており、十分な備蓄もあり、供給量が全体として大幅に減少することはあり得ない。このため小麦や大豆などの価格が高騰する可能性は低いという。
中国では飼料用の大豆や豆かすなどの輸入量が多いため、海外での大豆やトウモロコシの生産減少は国内の飼料価格や植物油原料の価格上昇につながることに注意が必要だ。徐副教授によると、これらの原料コストが上昇すれば、植物油価格の上昇につながる。また豆かす価格の上昇幅が大きくなる。豆かすは中国で最も重要な飼料の一つであり、その価格上昇はひいてはブタ肉価格に圧力を与えるという。
だが国家糧食局の聶振邦・元局長によると、中国は大豆と植物油の対外依存度が高く、輸入型のインフレが国内価格の上昇をもたらし、その他の輸入穀物にも一定の影響を与えるとみられるが、中国では消費に占める食品の割合が徐々に低下しており、こうした価格上昇が消費者物価指数(CPI)に与える影響はそれほど大きくないという。
「人民網日本語版」2012年8月30日