中国が今後さらに競争力をつけるためには、制度環境の進歩・改善・改革が必要だ。改革開放以降、中国はソフト・ハード面から絶えず改善を行ってきた。しかし人々は改善のたびに、次の新たな改善に期待を寄せてきた。これは社会心理によるものだ。このような社会心理は改革の原動力であり、国家の競争力を絶えず高める原動力でもある。
中国の競争力の向上は、主にソフト面によって阻まれている。イノベーションを奨励し、知的財産権の保護を促す制度環境を形成し、また企業の十分な競争を促し、独占状態を打破し、関連部門によるレントシーキングを減少し、サービス効率を高める政府環境を形成する必要がある。法治・道徳・自由・革新のある市場経済を構築することで、中国の競争力を長期的に高めることができる。
エコノミストの呉敬�茂氏はメディアに対して、中国の経済社会の矛盾は臨界点に達しようとしていると指摘した。このような判断については、検討する価値がある。これは誇張された言い方かもしれないが、その背後にある焦燥に対しては、真剣に向き合うべきだ。その臨界点はまた、中国の競争力向上の臨界点とも言える。これまで中国の競争力は、資源、市場、絶えず整備されるインフラによって支えられていたが、これらの貢献度は低下しつつある。今後の競争力は、制度面からの改善により高めるしかない。これができなければ、現在の競争力の維持さえ困難だろう。
「人民網日本語版」2012年9月6日